2008-01-01から1年間の記事一覧

●セブンスタワー 1(ガース・ニクス)

太陽がなく、サンストーンの輝きだが光を与える不思議な世界が舞台。 氷原にそびえたつ7つの塔の中で育った少年タルが、突然、父を失い、世の中から見捨てられ(役人のいじめを思い出すだけで、腹が立つ)、塔の外へと放り出されてしまう。 しかし、塔の外に…

炎の戦士クーフリン(ローズマリー・サトクリフ)

ケルト神話のクーフリンの話ですが、北欧と同様に、血みどろな神話ですね。 ほっそりとした黒髪の美少年ながら、太陽神の血を引く勇猛果敢な戦士というクーフリン。 その割に、ものすごいギャグ飛ばしていました。 口から泡をふきながら、脳天から血の霧を飛…

獣の奏者1 闘蛇編(上橋菜穂子)

闘蛇(人間がまたがって戦うほど、でかい蛇)も、王獣(スフィンクス?)も、ミツバチさえも、ヒロインのエリンの目を通して、生き物が愛おしく、力強く、魅力的に書かれている。幼くして、母に命がけで助けられ、同時に母以外の親族に見捨てられるという経…

悪魔の黙示録 デモナータ6(ダレン・シャン)

とうとう、起承転結の転に来たデモナータ。 途中、「えええ、そこで終わるの」と思ったけど、そういうわけでもなかった。 ただし、前作の伏線がそこにきたのかー、とか、BECを再読させてくれ、とか思う内容。 最初から10巻の構成を考えて本にしてあるから、…

裏切りの月に抱かれて(パトリシア・ブリッグズ)

同じ作者による「ドラゴンと愚者」と同様に、予想外に面白かった現代ロマンティックファンタジー。 いわゆるハーレクイン物だが、きっちりとウォーカー(生まれつきコヨーテに変化できる)、人狼(噛まれると、そうなる)、ヴァンパイア、魔法使い(これは曖…

戦士志願(ロイス・マクマスター・ビジョルド)

母親の胎内にいたころに遭遇した事故のせいで、身体的ハンディキャップを背負っているマイルズ。 知力検査には絶対の自信があったが、体力検査の失敗で士官学校入試に落ちた失意の彼は、ボディガードとその娘を連れ、非合法に大宇宙へと飛び出した。 わらし…

彩雲国物語13 黎明に琥珀はきらめく

藍将軍の次は、吏部次郎の李コウユウ(漢字変換に疲れた)が政治的な罠にかかった。 秀麗は尊敬する師匠である彼を助けるため、奔走し、ライバル清雅と対決する。 だんだんとキャリアウーマン化していく秀麗の先行きが心配です。 彩雲国物語 黎明に琥珀はき…

トロール・フェル(キャサリン・ラングリッシュ)

母を昔に亡くし、今、父も亡くした少年が、葬儀の晩にいきなり、叔父に連れ去られる。 少年の手首を縄で縛って馬車にくくりつけるような、本気でヤバイ、一卵性双生児の2人の叔父。まさに、外見も中身も鬼。 さらに、極悪非道(お前の物はオレの物、を実践)…

うちの一階には鬼がいる!(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)

連れ子同士の再婚で形成された家庭にあって、著者お得意の本気で憎たらしいリアルな子どもたちが、鬼(実父あるいは義父)と対決する話。 鬼が実の息子と義理の息子にそれぞれ1セットずつ贈った謎の化学薬品セットが、さまざまな騒動を引き起こす面白さと、…

空色勾玉(荻原 規子)

イザナギを思わせる神を信仰する(というか、天照、月読、スサノオを思わせる兄弟が治めている)不老不死派の一族と、イザナミを思わせる神を信仰する輪廻転生派の一族の争いに、巻き込まれる少女の話。 なんだか、これも、氷室冴子の中断した物語を思い出し…

これは王国のかぎ(荻原 規子)

氷室冴子のシンデレラシリーズ(古っ)を思い出した。 現代社会で失恋したはずの女の子が、いつの間にやらアラビアンナイトの世界に紛れ込み、セーラー服を着た精霊(ハクション大魔王のような感じの)になってしまうという話。 これは王国のかぎ (ファンタ…

サンシャイン&ヴァンパイア 上下(ロビン・マッキンリィ)

サンシャインという名の魔法使いの女性と(恋人は無口なマッチョだ)、小柄で美しいとは言い切れないヴァンパイア男の友情以上恋人未満な関係・・・ 女は、ただ愛されているだけじゃダメなのよ、と言わんばかり。 同じ作者のダマール王国物語(正統派ファン…

ゴースト・ドラム 北の魔法の物語(スーザン・プライス)

極寒の大陸の北の国では、容赦のない物語しかないのだろうか。 ニワトリの足が生えた魔女の家、なんて面白そうじゃないかと、図書館で借りた。 ところが、夢も希望もなく、淡々と悪意ある敵に倒されていく善意の人たち。 皇帝と結婚した奴隷の娘、 命がけで…

チャリオンの影、影の棲む城(ロイス マクマスター ビジョルド)

SF作品の多い作家ですが、ファンタジー作品しか読んだ事がない。 でも、 スピリット・リング チャリオンの影 影の棲む城 のいずれも、面白いです。 登場する女性の気が強くて、作中の言葉によれば「鋼のように」強靭で、「剣のように」攻める女性ばかり。 「…

アルテミス・ファウル オパールの策略(オーエン・コルファー)

シリーズ4作目だが、ああっ、面白い。 3話で悪の犯罪天才少年アルテミス・ファウルが改心してしまって、続編はどうなるんだろうと思ったが、妖精によって記憶を消去されたせいで、また元通り悪ガキに戻っていた。 冒頭で主要キャラクターが消されてしまうの…

空の境界 上下

読んだのはノベルズである。 解説(笠井潔)がこれほど難解で長いのか。 解説の解説を要求する。 …全く内容とは関係ない。 無愛想な美少女のヒロイン、温和な語り手の青年(というか少年?)。 2人を取り囲むスーパーお姉さま。 どこかで見たことのあるよう…