ドレスデン・ファイル3(ジム・ブッチャー)

第3巻のゲストはヴァンパイアと妖精の女王と悪霊。
妖精といっても、第1巻に出てきた甘いミルクが好物の小妖精レベルではなくて、敵のヴァンパイアの女男爵と同列の恐ろしさと厄介さと狡猾さを併せ持つボスキャラですが。
今後も登場して、ハリーを困らせることは間違いない。

今回、警官マーフィはあまり活躍せず、教会に属する騎士・マイケルが相棒。
大工の作業着の上に、白いマントと、神から与えられた力がある3本の剣の1つ(アモーラチウス)を手にした気のいい大男。
マイケルのことは、読み終えるまで1巻に出てきた白の評議会(魔法使いの組合みたいなもの)から派遣されて、ハリーを監視していた石頭のモーガン(魔法使い)と混同し、いつの間に仲良くなったのか不思議だった。
別人でなっとく。
信仰篤い大柄な騎士、の典型のような良き夫・良き父を地で行くマイケルとの掛け合いは、ハリーとマーフィに比べると、ハリーが強気。
マイケルの妻チャリティには、ハリーは太刀打ち出来ないが。
敵のヴァンパイア(赤の王室)の派閥とは異なる白の王室に属するヴァンパイア・トーマス(人との混血かもしれない?)の美しく、気まぐれで、憎めないキャラクターも、ヴァンパイア好き女子には、たまらない典型的なキャラクターだ。
マイケルとトーマスと、名前も性格も全くひねりがない2人が、今回ハリーの戦いをサポートする。

ハリーの恋人で新聞記者であるスーザンの職業意識は、前作以上にムカつくがそれが伏線となり、ハリーとスーザンの関係の変化が、この作品のポイントになった。
今後、どうなるのか、という苦々しいエンディングへとつながってしまった。

ハリーの母親の謎と、スーザンとの行く末。
どちらも、今はいい方向に向かうとは思えない2点が、次へ持ち越されました。

ドレスデン・ファイル3―血塗られた墓― (ハヤカワ文庫FT)

ドレスデン・ファイル3―血塗られた墓― (ハヤカワ文庫FT)