2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マジック・フォー・ビギナーズ(ケリー・リンク)

幻想小説と呼ばれるジャンルがある。 ファンタジーとは異なる。 指輪物語が直木賞をとる系とすれば、幻想小説と呼ばれるのは芥川賞をとる系の作品だ。 これが、オチがないことが多くて、実はとっても苦手。 でも、ヒューゴー賞やネビュラ賞、ローカス賞、英…

時の町の伝説(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)

疎開先の駅に着き、初めて会う親戚にドキドキしているヴィヴィアンのところへ、傲慢な態度の少年ジョナサンと、わがままいっぱいの少年サムがやってきて、彼女を時の町に連れて行った。 時の町は、全ての時の流れ、歴史から切り離された町。 安定期と呼ばれ…

文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!(ジャスパー・フォード)

国民最大の趣味が文学だったら? という世界で、特別捜査機関(スペックオプス)で働く文学刑事サーズディ・ネクストの活躍する話。 シェークスピアやトマス・モアやブロンテ姉妹といった古典文学が、芸能人ネタのように熱い話題になる世界。 スペックオプス…

アークエンジェル・プロトコル(ライダ・モアハウス)

何に分類すればいいのか、判らない本。 ハヤカワSF文庫 アメリカ私立探偵作家クラブ賞を受賞作 やさぐれた元警官の女探偵のハードボイルド 2076年が舞台 世界大戦後に荒廃したニューヨーク サイバー犯罪(インターネットへの接続は頭に移植した受信機を通し…

海駆ける騎士の伝説

ものすごい美人で、気が強くて、男勝りな姉。 姉には頭があがらないけど、ちょっと短気なところもある、気のいい弟。 好きな男の子に意地悪しちゃう小さな女の子。 ジョーンズの作品によく出てくるポイントはクリア。 でも、小さな女の子の活躍が少ないので…

血の呪い

デモナータ5作目は、1作目、3作目に続いて、グラブス少年。 命をかけて救った異母弟ビルEよりも、魅了的な少年ロックとの友情が大事なお年頃。 なぜかしら周囲をひきつける子どもっていうのは、いますね。結構意地悪だったりするんだけど。 前作ベックが健気…

BEC

女性作家の書く少年にはシモに対する執着がないし、男性作家の書く少女には毒気がない、と思う。 東野圭吾作品の少年はあほらしいし、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の少女は意地が悪い。 で、このBEC(べック)。 デモナータ4作目にして、初の少女が主人公…

緑の瞳のアマリリス(ジェイン・アン・クレンツ)

ファンタジー小説があって、主役が少女だった場合、高い確率で、ハーレクイン系構造だったりする。 やっぱり、ファンタジー小説の必要アイテムである王族とか貴族という物は、ハーレクイン小説とも馴染みますから。 エリザベス・ヘイドンのラプソディ-血脈の…

ドラゴンと愚者

読みながら、「この雰囲気、知ってる」と思いながら読んだ。 あとがきを見て、納得。 「氷と炎の歌>>をコンパクトにまとめたような展開」 それだ。 つまり、メインはワードウィック(愚者を演じる領主の長男)の一人称で展開されるが、ワードウィックの双子…

彩雲国物語 白虹は天をめざす

この系(表紙や挿絵が漫画家によって書かれる文庫本)は、主人公の少女(あんまり美人じゃないけど性格が良いか、すごい美人で性格が可愛げがない)が、やたら、有能でハンサムな男性からもてまくる。 この作品もそうだけど、この際、目をつぶる。 秀麗は、…