女悪魔の任務(魔法の国ザンス19巻)(ピアズ・アンソニィ)

作者は女悪魔メトリアが大好きなんだろうなぁ。
 
17巻で人間と結婚して魂を得た女悪魔メトリアが19巻の主役。
なんとかして、コウノトリを呼びたい(子供が欲しい)という思いから、大活躍する。
18巻では魂と共に良心を得てしまったメトリアからこぼれ出た悪魔らしい部分を受け持つ半身メンティアがメインキャラクターの一人として大活躍したので、このスローな刊行ペースでも、メトリアのことだけは状況を把握できている。
 
主役が既婚者なので、ザンスに付きもののボーイミーツガールの要素があるのか心配だったが、一応、あった。
ナーガのナーダ王女なんだけど、なんだか、すごいやっつけ仕事な気がする・・・
さらに弟ドルフ王子に比べて非常に永い春を過ごしているアイビィとグレイのカップルを多少取り上げているが、その取り扱い方がすごい適当。
振り返ってみると、3人の人格が同居する女悪魔メトリアの葛藤と、遵法と正義と義務と良心を熱く議論するという法廷シーンがメインで、登場キャラクターは多いのに、印象に残る役割をしたサブキャラクターがいなかった。
 

女悪魔の任務 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-19)

女悪魔の任務 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-19)