ドレスデン・ファイル2(ジム・ブッチャー)

電話帳に「魔法使い」と掲載しているハリー・ドレスデンが主役の現代ものハードボイルドのファンタジー
ハリーは細身長身を黒づくめのくたびれた私立探偵風の格好をし、女難の雰囲気が漂い、気の強い女性に、古風な騎士道精神を発揮しては、当の本人から「そんなこと頼んでない」と怒られるという状態。

ハリーに協力を依頼するカリーン・マーフィ主任(警察の特殊捜査係の係長)が、素敵。
150cmの小柄な体ながら、犯罪への怒りに燃えるエネルギッシュな女性、というかおばさん。
ハリーとマーフィの関係は、叔母と甥、みたいな関係。
ハリーが「魔法使いの目」で観たマーフィの姿は、まさに闘う守護天使だったというエピソードも良かった。
ちょっとした行き違い(というかハリーの騎士道精神)でケンカも良くするが、熱い信頼と友情に結ばれた相棒という感じがいい。
二人は、前作(魔物を召喚するモグリの魔術師に関わる事件)で、最後、大ゲンカしてしまったところで終わり気になっていたのだが、2巻を全部使って、ようやくしっくり来る。

2巻は狼人間に関わる事件。
ウェアウルフライカンスロープ、ヘクセンヴォルフ、ルー・ガルーとヨーロッパ各地の狼人間の種類を羅列したら、それぞれが登場してきたあたり、親切。
魅力的な、あるいは悪党の狼人間たちが次々と登場し、ハリーをボロボロにしていく。

いつだって限界に挑戦というのも、このシリーズの特徴かも。

ドレスデン・ファイル 2 〔狂った月〕 (ハヤカワ文庫 FT フ 14-2)

ドレスデン・ファイル 2 〔狂った月〕 (ハヤカワ文庫 FT フ 14-2)