クリストファーの魔法の旅

作者はファンタジー界の大御所で、大学では、指輪物語の作者トールキンや、ナルニア国物語の作者C.J.ルイスの講義を受けたという、王道の王道である。
そして、ハリー・ポッターが出るよりも、10年も前の作品。
しかし、共通点がたくさん。
親とは関係が薄くて、親戚ともうまくいってなくて、心の支えとなる師匠や、ちょっといい加減なところもあるけど主人公には頼りになる年上の友人、寄宿舎、団体スポーツ(クリケット)、小生意気な女友達・・・
こうしてみると、ハリー・ポッターは王道(どこかで読んだことある?)なのだなー。
クリストファーよりも、彼の友人のタクロイや女神、猫のスログデーモンのほうが、個性的で人間くさくて魅力的。
クリストファーは愚痴が多いし、巻き込まれ型でインパクトにかけるよ。
ある意味で主役型なんだけど。
読めばわかるが、「魔法使いはだれだ」のクレストマンシーが登場する巻である。
  
クリストファーは、夢の中で異世界に入り込って旅をする。
旅先で手に入れたものを持ち帰ったりすることもある。
両親の不仲によって、クリストファーに急接近してきた伯父ラルフは、クリストファーの不思議な力を悪用するが、クリストファーは旅自体を楽しんでいたし、旅先で生き神となってあがめられている孤独な少女「女神」とも知り合いとなる。
だが、クリストファーを心配した父親は、ラルフの魔手から守るため、クリストファーを大魔法使いクレストマンシーに合わせることにした。
クレストマンシーは、9つの命を持つ魔法使いの役職。
どうやらクリストファーも、その資格を持つらしいのだが。