白い霧の予言/クリスティン・キャスリン・ラッシュ

野心家の貴族レディ・アルマや、クモ女と称される魔術師ヴォンダに、バイロンたち青年は翻弄されるが、物語の幕引きは予言を伝える精霊イーノスたちによるものなので、なんとなく陰鬱な読後感でした。
色男の吟遊詩人バイロンの物語と、わがままな王子エイドリックの物語が、交互に語られ、突然、二つが重なりあうという物語。
謎めいたバイロンの物語は、高名な魔術師の息子でありながら手品師程度の力しか持たない青年シーモアの目を通して語られるので、すんなりと物語に入ることができる。

白い霧の予言 (ハヤカワ文庫FT)

白い霧の予言 (ハヤカワ文庫FT)

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