桃花源奇譚 風雲江南行

桃花源奇譚―風雲江南行 (中公文庫)

桃花源奇譚―風雲江南行 (中公文庫)

前巻の最後で、若様(戴星)、優男(希仁)、美少女(宝春)の3人は、
旅立ったのだが、この巻の冒頭ではいきなり、閉じ込められている。
若様が暴走して(やっぱり)。
で、ようやく重要人物の中で最後に登場するのが、漢臣くん(13歳)である。
13歳でちょっと素朴で、でも滅法強く、一人称が「おいら」。
思わず、ドラゴンボール孫悟空を思い浮かべたりしていたのだが、
「いっても14,15歳」といわれているのに、13歳という年齢をきくと、
その体格に、「なかなか信じられない」、と描写している。
じゃ、何歳に見えるんですか。
1巻で、主人公たちをかくまった遊女が、予想通りに旅に出た。
何でそんなに思いつめてしまったのか、本当に謎のまま。
意外だったのが、暗殺者の玉堂にいさんだ。
整っているが冷たさがぬぐえない顔の30歳前後の男性。
裏の世界では非情さで有名とか言われている割には、
ああ、義理堅いよ、あなた。
アニメとかだったら、絶対に人気が出る。
そう、幽遊白書の飛影が、近いかも。
絶対に、作者の思い入れが強いと思った。やけに活躍している。
主役級なのに口だけばっかりの優男の希仁より、よっぽど、紙面への登場が多い。
この巻を総括するにあたって、やっぱり、短気でお馬鹿な若様なのでした。
…本当に、こいつを中国皇帝にするの?