ネシャンサーガ

ひさびさに新しく素敵な児童文学作家を知った。
ミヒャエル・エンデと関連づけられた紹介文が載ってます。
 
ネシャンに住む少年ヨナタンは、裁き司(創造神の代理人)の不思議な杖ハシェベトを見つける。
ヨナタンは、育ての親の助言に従い、6番目の裁き司に杖を渡しにいく旅に出る。
七番目の裁き司に杖が渡るのを恐れた敵は、ヨナタンの行方を阻む。
 
一方、イギリスの寄宿学校にいる車椅子の少年ジョナサンは、ヨナタンの夢を見る。
そしてヨナタンもまたジョナサンの夢を見る。
 
使命を帯びて危険と立ち向かい、かけがえのない友人たちを得ていくヨナタン
祖父と、寄宿舎の世話役の老人という、理解者はいるが、特に親しい友人もなく、切れる頭脳と孤独を抱えるジョナサン。
伝説と予言に満ちたネシャンと、(ジョナサンにとって)陰鬱な現実世界のイギリス。
対比の中でストーリーは進む。
予言がよく当たり(あまり予言や詩が幅をきかす話は好きではない)、ハシェベトの魔力は絶大なのですが、ヨナタンたちは「精一杯頑張ってこそ、実現する予言であり、使命」と言いながら頑張るところが、面白いです。

ヨナタンはいい子過ぎるのですが、友達の船乗りと海賊の青少年は親しみの出るタイプです。
もう一人の主人公ジョナサンは、性格ひね曲がっているし、ご都合主義に終わらない感じ。
最近、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品を読みすぎて、少年少女の性格が曲がってないと、落ち着かない。
あ、そうそう敵の将軍がとっても素敵なのです。
いわゆる、ダークヒーロー。アニメで人気の出そうな人です。
 
エンディングはある程度予想できたものの、ある一点において、予想を上回り、スパイスの効いた余韻を残してくれます。

ネシャン・サーガ〈1〉ヨナタンと伝説の杖

ネシャン・サーガ〈1〉ヨナタンと伝説の杖

ネシャン・サーガ〈2〉第七代裁き司の謎

ネシャン・サーガ〈2〉第七代裁き司の謎

ネシャン・サーガ〈3〉イェーヴォーの呪い

ネシャン・サーガ〈3〉イェーヴォーの呪い