彩雲国物語12緑風は幻のごとく(雪乃紗衣/角川書店)

前の巻から出てきたタンタン(蘇芳)が、ものすごい勢いで株価急上昇の1冊。
鼻につくヒロインの優等生ぶり、を次から次へと修正するのがタンタンの役目です。
いつだって正義を信じ、頑張れば何とかなる、というヒロインの世間知らずぶりを指摘しました。
顔がいい、口は悪いけど性格はいい、家柄がいい、頭がいい、腕が立つ、
などのスーパーマンの取り巻きの青年たちを押さえつけて活躍したのが、とことんヒロインが嫌いな悪役たち。
後でヒロインのことが結構好きになるとかいうのは無しにしてもらいたいところです。
秀麗のことは嫌いじゃないけど自分がまず大事だよね、というスタンスのタンタンの暗躍も良かったです。
ところで、こんなに悪目立ちする秀麗なのに、最終的に決まった就職先はいかがなものか。


仕事にありつけない官吏(冗官)たちのリストラ宣言が出た。
期限内に、能力を認めてもらって、どこかの部署に配属を決めなければならない。
あちこちにコネをもつ秀麗だが、他のダメな冗官の面倒を見ているうちに、期限が迫ってくる。
そのうち、庶民の生活を苦しめる不穏な動きを察知し、秀麗の就職活動もままならない。