ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)

ハリポタシリーズのどこが面白いのか(面白いと思ってる)
魔法がなければ、ただの寮生活モノだ。(おちゃめな双子のシリーズが大好きだったが、まさに、王道だ)
生まれながらに宿命と魔法の能力がある、これもよくある話だ。
宿敵がいて、周囲の助けを受けながら、成長していく、ところも王道だ。
王道は、最大公約数の読者を外さない。
そして、キャラクター造詣が豊かだ。
ハリー・ポッターは、毎巻、理不尽な扱いを受けている。
スネイプ先生が味方だとわかったって憎まれているし、特にシリウス・ブラック(ああ…)が登場してからは、世の中からも何だか厳しい扱いを受けている。
そして、本巻(不死鳥の騎士団)でも、ホグワーツに派遣されたお役人や、前作から目の敵にしてくれている魔法大臣のせいで、校則から法律に至るまで、理不尽である。
そして、世の中の子供たちにとっては、大人は理不尽だ。
他人事じゃない。
ハリー自身も、周囲の友人だちも欠点だらけ。
ウィーズリーのおばさんだって、今回は心配性すぎてやばいし、ヒロインのチョウ・チャンだって、かんしゃく持ちだし、ロンやネビルはときどき腹立たしいし、ダンブルドア先生やマグゴナガル先生だって、ちょっと今回は冷たい。
完全無欠な人物がいないからこそ、読者は安心して読める。
愛すべき王道。
次の作品も図書館で借りよう。
 
ハリー・ポッターは15歳になった。
またもや、ダーズリー家では、叔父さん叔母さんに理不尽な扱いを受けている。
そしてなぜか、家の近所で吸魂鬼に襲われる。
魔法で撃退したところ、魔法省からの呼び出しを受ける。
そこから魔法省VSハリー・ポッター、ダンブルドアの戦いが始まる。
今回のゲスト敵は、役人のおばさんだが、まぁ、典型的ないやな感じの女性で、単純に嫌うことができる。
世の中の流行として最近は憎みきれない悪役も多いが、ドラコ・マルフォイ一味と、ゲスト敵に関しては、心置きなく嫌える。
実はこの巻では、ハリーはあまり技を鍛えていない。
学校で実技よりも、試験(OWL)がメインになっているからだが、精神的な成長に主眼が置かれている。
まだ見ぬ憧れの父が、自分と同じ歳のころの様子を知って、ちょっと幻滅したり、大人のシリウスが、クリスマスにみんなといられてはしゃぐ様子を冷静に観察していたり、そして何より、愛する者の別離と自責の念を知る。
次の巻からは、ハリーは子供ではないのだ。
ロンも前よりは成長している。
妹ジニーの彼氏に怒ったりして、これまでとは違う一面が見られる。来巻はどうなるのだろう。
みそっかすのネビル・ロングボトムが、実はハリー・ポッターと(ヴォルデモートとは別の意味で)表裏の関係にあることが明かされるが、顔も知らない親を思うより、狂ってしまった両親を見つめ続けなければならない彼の苦悩は、「死よりもむごいことがある」(BYダンブルドア)なのだ。
もうちょっと活躍してくれないかな。