西の善き魔女Ⅰセラフィールドの少女

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (中公文庫)

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (中公文庫)

ネーミングセンスがベタで気恥ずかしいな、これ、と思っていたら、少女向けでした。
確信犯的ですね、人物造詣とか、文章とかも。
「今日は舞踏会」と少女が田舎のあばらやで目を覚ます。
生まれて初めて参加する舞踏会で少女は王子様(伯爵の跡継ぎと、次期女王候補だが)に出会い、出生
の秘密を知る。
そして少女は、真実を求めて旅立つ。
ぱぱーん、ぱぱりらりーーん(ドラクエ風に)
というストーリーです。

トラブルダイナマイトを腹にくくりつけたまま、爆発するわけがない、と地雷原を失踪する主人公の少女
主人公の少女だけには別の顔をみせるひねくれた少年、
真面目でハンサムな伯爵の跡継ぎ、
人をからかうのが大好きな優男の親友、
たおやかな見た目と裏腹に芯の強い美少女、
腹芸が大好きな大人たち。
美形ばかりが出てこないし、ちょっとキャラクタやストーリーにも癖もあり
(フィリエルの従姉妹の美少女アデイルのボーイズラブ好きには閉口したけど)、気楽に楽しめます。
本巻はシリーズのオープニング。本の最初も最後も、主人公フィリエルの武者震いです。