目覚めよ、女王戦士の翼!

目覚めよ、女王戦士の翼!〈上〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

目覚めよ、女王戦士の翼!〈上〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

目覚めよ、女王戦士の翼!〈下〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

目覚めよ、女王戦士の翼!〈下〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

2003/12/7
「飛翔せよ、閃光の虚空へ」で戦死したと語られているソズの弟ケルリックが主役。
ケルリックが不時着した惑星は人類が住んではいたが、圧倒的に女性上位の社会であり(男の背丈は女性より低くあるべきだそうだ)、十二の”坊”が権力争いを繰り広げていた。
権力争いはクイスという、何種類もの形状を持つ駒の対局によって、支配されていた。
ケルリックはクイスの強力な棋士となり、各坊の代表の女性たちに愛されながら、いくつもの坊を移り変わっていく。

巻頭の人物辞典のせいで、ケルリックがどの女との間に子供をこさえるのかバレバレなのが辛い。
この巻を途中まで読んでいくと、「制覇せよ、光輝の海を!」の最後のほうで、ソズの息子のジェイが、連合圏で出会った謎の人物がケルリックであったことがわかる。
と、そこで、また、結末が何となくわかってしまう。
しかし、クイスをめぐる話というのが、難解だが、これまでにはない権力争いなので、非常に面白い。
次から次へと生命力に溢れた女たちが登場して、権力争いを繰り広げる。
シリーズ中で最もフェミニストな巻である。