ロード・ロス デモナータ第一章

児童書でよいのか、という装丁と中身。
中学時代にはまっていた菊池秀行「ヴァンパイアハンタD」シリーズのような血みどろぶり。
好みです。

少年グラブスに降りかかる家族の離散という運命は、悪魔によって突然、もたらされた。
叔父ダービッシュに引き取られたグラブスは、自分の運命と、悪魔の住む世界デモナータに対峙する機会を与えられる。
最後の大ボス、魔将ロード・ロスとの対決は、ドラクエのシナリオに多く見られるように、まず主人公が自分の宿命を知るための小手調べ。
最後の決戦ではない、という感じ。
グラブスの中に、家族への思いと、ひねくれた性格と、自責の念と、新しい生活への順応、がごちゃ混ぜになっているあたりも、素直に面白いし、どこかで読者が共通点を見つけて、親しみがわくはずだ。
ロード・ロスが愛するチェスゲームが物語な鍵となるが、将棋と違って、駒がかっこいいよなー。

デモナータ 1幕 ロード・ロス

デモナータ 1幕 ロード・ロス

悪魔の盗人 デモナータ第二章

第一章とは異なる少年カーネルが主役。
途中、若き日のダービッシュが登場し、第一章とのつながりが読めてくる。
カーネルも、グラブスと同じく、家族との縁が薄い少年である。
悪魔によって弟アートをさらわれたカーネルは、デモナータとを結ぶ窓を操る力を利用して、デモナータへと入り込む。
悪魔と闘う魔術同盟のメンバー(ベラナバス、ラズ、シャーミラ、ナディア、ダービッシュ、シャーク)と行動を共にしたカーネルは、ついに弟をさらった悪魔カダバーを追い詰め、魔将ロード・ロスと対決する。
カーネルは、グラブスより健気なので、不憫な少年である。

デモナータ 2幕 悪魔の盗人

デモナータ 2幕 悪魔の盗人