アブホーセン―聖賢の絆

「ライラエル」の最後で、ライラエルの宿命が明らかになったところで終わったので、その続き。
怒涛のライラエルの成長の様子に、びっくり。
腹が決まったサムも、それなりに活躍して、まぁ、不評の犬にがぶりとやられなかったけど、許すよ、という気分。
ライラエルと不評の犬は、今回は、冥界の最後の門:第9門まで辿る。
その経過の美しさは素晴らしい。
ライラエルと不評の犬の友情も泣かせる。
  
読み終えると、「ライラエル」に多数ちりばめてあった伏線を、もう一度見直しして楽しめる。
是非、チャーター聖賢が誕生したときの話や(特にアスタラエルとか)、ライラエルの前のリメンブランサー(冥界に入り過去を見る)の話とか、興味が尽きない。
モゲットが語る過去のアブホーセン、特に堕ちてしまったアブホーセンの話も面白いだろうな。

読み終えると、どうしてヘッジ(敵のネクロマンサー)があんなに強かったのか、9番目の聖賢オラニスをあがめる一族の秘密とか、腑に落ちないところもたくさんあるけど。
 
リメンブランサーであり、アブホーセンでもあることがわかったライラエル。
サムと共に、サムの友人ニックを救い、ニックを操るネクロマンサー・ヘッジの野望を食い止めるため、大死霊によって閉じ込められたアブホーセンの館から脱出を試みる。
その頃、アンセルスティエールのサブリエルとタッチストーンの国王夫妻には、暗殺計画が実行されていた。

アブホーセン―聖賢の絆〈上〉 (古王国記)

アブホーセン―聖賢の絆〈上〉 (古王国記)

アブホーセン―聖賢の絆〈下〉 (古王国記)

アブホーセン―聖賢の絆〈下〉 (古王国記)