マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮

いつものように、ハヤカワ文庫の棚をチェックしていて(FT、SF)、そのままハヤカワ文庫の日本作家の棚に移り、小池真理子直木賞受賞作「恋」の横にあったのが、これ。
まず、タイトルが良い。
表紙もライトノベル風、というか朝日ソノラマ風(中学時代は吸血鬼ハンターDが好きでした)で良い。
そして、聞き覚えがある。
あ、あれだ、ざれこさんのところで、見た奴だ。
ということで買った本。
 

  • 性的な事柄を淡々と描写する
  • 車や服、飲み物にこだわる
  • 漢字の単語に英語のルビを振る
  • 主役の感情描写も淡々としている
  • カーチェイス、銃撃戦、酒場が登場する
  • 風俗産業従事者、異常性欲者、殺し屋、ヤクザ稼業が出てくる
  • 闇医者がいると尚良い

 
これらが、私の思うハードボイルド小説の特徴。
北方謙三と大沢存昌くらいしか、読んだことない中の感想だ。
だから、マルドゥック・スクランブルは、ハードボイルドど真ん中だと思う。
 
主役の少女ルーン・バロットは15歳の少女娼婦。
お決まりのヤバイ家族構成と美しい姿態のため、否応なく、娼婦になる羽目になった。
自分を半年前に買った賭博師シェルによって、蒸し焼きにされた彼女は、瀕死のところを助けられた。
彼女を助けるために行われた処置は、電子信号を感知し、攪拌する能力を持った人工皮膚を移植すること。
そして、自らを助けるため、賭博師シェルの悪事を暴くこと。
特殊能力と人間以上の知性を持つネズミのウフコック、ウフコックとバロットのメンテナンス担当のドクター・イースターと共に、バロットは闘うことを選んだ。
まずは、シェルの雇った事件処理屋のボイルドと闘わなければならなかった。
 
とバロット(雛料理)、ウフコック(半熟卵)、シェル(殻)、イースター、ボイルドと、卵関連の人名が、これまでか、と出ているので、やっぱりハードボイルド(固ゆで卵)小説で良いのだなーと納得。
判りやすいというのも、作者からのサービスだと思う。
本作は3巻完結の1巻ということで、ものすごいところで終わっている。
最後のほうの、バロットとウフコックのやり取りは、いい感じだと思う。
 
とても映像的な本なのだが、お約束どおりアニメ化される。
美意識高そうな作者の意向か、とってもクールな仕上がりになっているようだ。
著者のウェブサイトも見たけど、押井守天野喜孝吸血鬼ハンターDの挿絵)にはまっていたということで、私の直感も間違ってなかったんだなと思った。
あ、続きは、明日買います。今日買うと駄目だ。
明日の危険物取扱者試験(乙4類)が終わったらね。
 
http://mardock.jp/index.html
tow_ubukataのコピー